WHAT KUTANIYAKI 九谷焼とは
九谷焼は日本を代表する色絵磁器です。その魅力は美しい装飾にあります。 九谷五彩(赤、黄、緑、紫、紺青)を基本色に上絵の具を用い、重厚感があります。 絵柄は山水、花鳥、など絵画的で大胆な上絵付けがなされており、力強い印象を与えます。 絵画のような美しい絵柄が描かれたり、職人の個性によるデザインや色合いで描かれた親しみやすいものであったり、私たちの日常に溶け込んでいる伝統工芸品であるといえます。
九谷焼の歴史
1665年頃、大聖寺藩の初代藩主、前田利治が領内で発見された陶石に着目、九谷(現在の石川県加賀市山中温泉九谷町)に窯を開いたことが九谷焼の始まりとされています。しかし、約半世紀後に窯は突然閉鎖されました。この間に焼かれたものが後世、古九谷と呼ばれ色絵磁器の代表として高く評価されています 古九谷の廃窯から約100年後、加賀藩が金沢で磁器の生産を再開し、再興九谷の時代を迎えます。春日山窯の木米風、古九谷の再興を目指した吉田屋窯、赤絵細描(飯田屋風)の宮本窯、金襴手の永楽窯(九谷本窯)など多くの窯が独自の画風を築いてきました
明治時代になると、その美しさは海外でも高く評価されることになります。きっかけとなったのは、1873年にオーストラリアのウィーンで開催された万国博覧会です。美しい絵付磁器はヨーロッパの人々を魅了し、九谷焼の名が一気に世界中へと広まっていきます。中でも人気を集めたのは九谷庄三の彩色金蘭手は「ジャパンクタニ」などと親しまれ、海外から大量に注文が入り、貿易が盛んになりました。伝統的な美術工芸品として海外にその名を知られるようになった九谷焼。工芸品の枠を超え、美術品として制作されるようになり、人間国宝も誕生しました。また、ライフスタイルの変化に合わせた多種多様なデザインの器など現代九谷焼の特徴も形づくられてきています